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世界が注目している成分NMNとは?

2022-12-13

NMNとは? NMNとサーチュイン遺伝子について

NMN(ニコチンアミド モノクレオチド Nicotinamide MoNoncleotide)とはビタミンの中に含まれる成分の1つで、緑黄色野菜などにごく少量ですが含まれています。

NMNは食品として摂取する以外に、生体内ではビタミンB3(ナイアシン)を元にも作られています。このNMNの存在が生細胞が老化せず若々しく活動を続ける為の重要な鍵を握ります。

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※この事はワシントン大学医学部発生生物学部門の医学部教授より2016年に発表され世界中から注目を集めました。


当初加齢と共に減少するNMNを外部から摂取する事による若返り効果が発表された際は、すぐにNMNを含有するサプリメントが販売されましたが、1ヶ月分で100万円以上の値段のものや2022年現在でも数十万円する商品があり、なかなか手が出せない高嶺のサプリメントでした。現在のところヒトでの臨床試験もその安全性が確認されており、さまざまな効果効能について研究されております。

あの有名なホリエモンさんからも紹介されており世の中の注目を集めました。
なかなか試す事が出来ないNMNサプリメントでしたが、今では安価な海外の原料を入手する事ができるようになりお手頃なNMNサプリメントも登場してきました。

NMNによる老化防止の作用機序とは?

NMN(ニコチンアミド モノクレオチド)はどのような仕組みで老化防止の効果を発揮するのかご紹介致します。



❑NMNとサーチュイン遺伝子いわゆる長寿遺伝子との関係

NMN(ニコチンアミド モノクレオチド)が体内に吸収されるとNAD+(ニコチンアミド アデニン ジヌクレオチド)という重要な「補酵素(ビタミンB3の一種)」に変わります。実はこのNMNを元に生み出されるNAD+が最も重要な役割を果たします。

NAD+ はすべての生き物の細胞に存在し、生細胞が生きるための重要な働きをする電子の伝達体とも言えます。

文献などではNAD+とプラスの文字がついているため頭に入りにくいと思いますが、「+」の意味は単に正の電荷を帯びているという事を表しております。NAD分子は電子を受け取る(還元)または、電子は失う(酸化)という酸化還元の反応を繰り返すため電荷を帯びている状態のNADをNAD+と表現します。


NAD+は少量ですが私たちの生体内においてトリプトファン(アミノ酸)やビタミンB3(ナイアシン)を元にも作られています。
NMNを摂取する事で速やかに作られたNAD+は、生体内で糖からエネルギーを生み出す重要な役割を担います。



❑NADが増えるとサーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)が活性化する

最も重要な働きはNADの増加に伴い脳に存在する「サーチュイン遺伝子」という老化をコントロールする遺伝子(酵素)が活性化する事です。このサーチュイン遺伝子は脳の視床下部(ししょうかぶ)に多く存在しており、普段はあまり活躍していないのですが飢餓状態になると活動を始める若返りの遺伝子なのです。NADは7種類あるすべてのサーチュイン遺伝子を活性化させると言われております。

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7種類あるサーチュイン遺伝子の1つに「糖や脂肪の代謝を司る」機能があります。抗老化効果が現れるのはこの機能が活性化する為です。

また、NADは、加齢と共に増加するCD38と言われる酵素によって分解されてしまう事が発見されておりますので、NADを増やすにはNMNを摂取すると同時に、CD38の増加を抑える成分も一緒に摂取する事が理想的だとされております。

ただ、CD38の増加を抑えてもよいものなのか、どのような副作用があるのかがわからないのでここでの紹介は控えておきます。また、NMNではなく最初からNADをサプリメントとして摂取したほうが早いのではないかとも考えがちですが、実は分子量が大きくNADのままでは体内に取り入れにくい為、NADを増やすにはNMNを元に体内で生産したほうがスピードも早く効率的なのです。

NMN以外に、NADを生み出す方法としてNR(ニコチンアミドリボシド)というビタミンB3を摂取する方法もございますが、こちらも現在のところNMNにはその効率性は及ばないようです。


参考文献) https://www.nomon.jp/lab/nmn/20210419-1/
※酵素とは生物の体内で働く触媒であり、補酵素は酵素を補う事の出来る成分です。そもそも酵素がないと生命活動が出来ません。



❑NMNはどれだけ取り入れれば良いのか?

ヒトへの臨床試験の論文によると、20歳~30歳の健常者がNMNを摂取してもあまり意味はないようです。NMNは本来体内でも作り出される成分であるため若い方はNMN自体十分に保持しているという事ですね。

NMNもそうですが、加齢とともにNADが減少するので、年齢が高い方に対して老化防止の効果を発揮致します。

文献では、1日約250mgを10週間飲むことで一定の効果が確認されております。

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※NMNは薬ではない為1日250mgと決まっているわけではありませんが、およそ100mg~300mgが理想なようです。 一部の論文では単回摂取ですが500mgまではその安全性も確認出来ております。

※マウス実験により得られたすべての若返り効果がヒトへも当てはまるという事ではありませんがその期待は大きいですね。